"ALIVIO" 〜 地元工務店で本気の家づくり〜

岐阜で暮らす共働き3人家族のマイホームづくり

2015年11月


毎週末、いろいろなHMや工務店で話を聞いて回っていた今年の春。
ここぞと思う会社をなかなか見つけられず話が進まない中、実はもう一つ、私たちにとって重要な課題が持ち上がりました。



土地です。



3年前のHM巡りのところで少し触れたように、私たちには「土地を買うのか買わないのか」という問題がありました。
つまり、

① 使わなくなった祖母の畑を譲り受け、そこに家を建てる
② 自分たちで土地を購入する

という2つの選択肢があったのです。
②しかない人の方が多いでしょうから、ありがたいことですよね。

田んぼ (津山市)




正直に言うと、私たちとしては①、畑をいただくほうに気持ちが傾いていました。

①なら、造成費用もかなりかかるとはいえ、土地を買うよりは安く済みます。
嫁の実家のすぐそばなので、祖母たちの様子をすぐに見に行けるし、子供の世話をお願いしたりもしやすいしで、お互いに助かります。
土地の広さも100坪近くあり、現時点では周囲に家もないことから、子供がのびのびと遊べるほか、私の夢である「庭バスケットゴール」も実現できそうでした。
さらに、嫁はずっとその地域で育っているので、ご近所さんに関する不安が少ないのも大きなメリットです。


デメリットとしては、
・職場まで少々遠いこと
・学校も遠いこと
・近くに公共交通機関がないこと
・古い土地特有の行事や決まりごとが非常に多いこと



メリットとデメリットを比べると、メリットのほうが大きく思えて、私たちはこっちに傾いていました。
祖母たちも以前それに乗り気な発言をしていたので、私たちも畑をいただくという前提で、
「孫の顔をよく見せに行って、今後の介護とかもちゃんとやって、恩返ししなきゃな」
なんて話していました。


ところが、


5月末のある日、嫁との雑談中。

嫁「今日お母さんに言われたんだけど、家は別のところに建てなさいって」

えっ!?

思わず凍りつく私。



嫁によると、そろそろ土地の話をちゃんとしておかなければということで、母親と話をしたそうです。
すると、母や祖母がよく考えた結論として、

「近くに住んでくれるのは嬉しいけど、近すぎるとお互いに気を遣うし、負担をかける。
 元が畑だから、きっと地盤も強くない。
 ここは交通上不便な土地だし、地域の行事も絶対休めないから、共働きのあんたたちは間違いなく苦労する」

とのことでした。




近くに住めば無条件で喜んでもらえると思っていた私たちにとっては、祖母たちのこの判断は予想外でした。
でもそれだけに、ちゃんと私たちのことを考えてくださったが故の結論だということも、痛いほど分かる...


実際、交通の便が悪いというのは、小さくない問題です。
また、私の仕事の性質上、地域の行事に毎回出るなどということは不可能。
私はそういった行事とは縁のない土地で育ったので軽く考えていましたが、その畑の地域は「仕事がありますので欠席します」なんて簡単には言えないようで...
そうなると、私たちも苦労しますし、私たちの親類である祖母たちにまで迷惑をかけてしまうかもしれません。




そんなわけで、畑に後ろ髪を引かれる思いはあったものの、結局

    土地は自分たちで見つけて買う!

という結論に辿り着いたのでした。





これにより、上物(家)にかけられる予算は減り、高価な大手HMに依頼するという線はいよいよ細くなりました。

もっとも、すでに大手HMへの執着は無くなっていたので、その意味でのダメージはさほど受けず、むしろ良質な工務店を探すことに集中できるようになって良かったような気がします。


また、おかげさまで自分たちの拠点を自分たちで探し、自分たちにとって最良な場所を選んで決めることができました。
これは貴重な経験でしたし、今後生きていく上での利便性や快適さを考えると、土地を探して得た価値はものすごく大きいと感じています。
土地探しのプロセスも楽しんだので、また今度記事にしようかな。


とにかく、今になって考えると、一見厳しいように思えた祖母たちの決断のおかげで、より快適な住まいを手に入れることができました。
真に私たちのことを考えて結論を出してくださった祖母たちに、深く深く感謝します。
お祖母さん、お義母さん、ありがとうございました!


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さぁ、どんどん工務店編を進めます。

当初は印象に残ったHMや工務店についてだけブログに書くつもりだったんですが、ここまできたら、見に行ったところ全部書いてしまうつもりです。


【N工務店】

今回は愛知県のN工務店。
先日書いたn工務店と違って、大文字のNです。


私が見に行ったのは、名古屋ハウジングセンター一宮展示場にあるモデルハウス。
せっかく一宮まで来たんだから岐阜では見れない会社をと思い、N工務店に入ってみました。



ここも事前にネットなど施工例を見て、おしゃれなデザインが気になっていた会社。
ただし同時に、口コミなども見て
「見た目はいいけど寒い」
「トラブル発生時の対応に不満」
などの情報も得ていたので、そのあたりも頭に入れての見学です。


たくさんの大手HMのモデルハウスがひしめく中、N工務店のモデルハウスは一番隅っこに建っていました。
展示場内のどこに陣取るかによって、所場代もかなり違うんでしょうね。



入ってみると、若い女性の営業さんが対応してくれました。
小文字のn工務店の方同様、この人もまだ経験が浅いとお見受けしましたが、これまたn工務店同様、美人でした。
なので、n工務店のとき同様、私は無抵抗で名前を書いてしまいました。
これはもう、相手が上手だったと思って諦めるしかありませんよね。だって断れないんだから。


家の方はというと、スクエア型で非常に現実的なサイズ。
特徴は、家の真ん中に作られた中庭と屋上スペースの活用、それからスキップフロアが目立ちました。


特にスキップフロアは、N工務店の十八番らしく、よく採用しているようでした。

確かに立体的な作りになってデザイン上のアクセントになるし、段差を椅子として使ったり収納にしたりと、限られた空間を有効活用できそうです。
ちなみにこのモデルハウスでは和室をスキップフロアにし、その下を坪庭にしていました。
段差があると子供も喜んで遊びそうですよね。


でも反面、子供がほんとに小さいうちは危なそうだし、自分たちが年をとったら段差はない方がいいよな〜と。
掃除のときや何か荷物を運ぶときには邪魔だろうなとも思うし、部材と手間が増えて高くなるはずだし。
あと、強度はどうなんだろう?

そんな風に思って、とりあえず私としてはスキップフロアは構想外としました。
見た目的には好きですけどね。


あと、口コミで気になっていた「寒い」という話を受けて、断熱材についても聞いてみました。


美人営業さんによれば、

「標準はロックウール、でもオプションで吹き付けも可能です。
吹き付けのほうが性能は上ですし、昔ほどロックウールとの価格差もないので、個人的には吹き付けをお勧めします」

とのこと。



実は私、このときまで吹付断熱の存在にほとんど目を向けていませんでした。
大手って、あまり吹付を採用してないんですよね。
ロックウールやグラスウール中心で。
なので、大手を中心に回っていた私は、勝手に「吹付断熱は良くないんだ」と思い込んでいたのです。


それだけに、ここで吹付断熱の性能の高さを教えてもらえたのはありがたかったです。
この日の夜から色々と調べてみて、その話が嘘じゃないことのウラも取れました。
(吹付断熱については、そのうち別個に書こうと思います)

ですからこれ以降、単純な私は一転して「断熱材は吹付を採用したい!」と思うようになりました。
そして実際、吹付の断熱材を採用することになったんですから、それだけでもN工務店に行った甲斐があったというものです!



とはいえもちろん、それだけでN工務店が有力候補になるわけではありません。
私から見たN工務店の強みは

・デザインが割と好みで、自由度も高い
・値段が割とお手ごろ
・美人

という少々心許ないもの。

他の展示場の写真を見る限り、春日井市にある展示場のほうが私の好みに近そうだったので、そちらも見に行ってみたいとは思いましたが...

結局そちらを見に行く前にもっと気になる工務店が出てきたり、他にも考えなければならない問題が出てきたりして、N工務店とはこれっきりになってしまいました。


私の通勤ルートに立っている「Cafe Style」の看板。


最近カフェ風の家って流行ってるみたいですね。
正直、カフェ風と言われるようなナチュラルでかわいい家を建てる気は私たちにはなかったんですが、ちょっと趣向の違う家を見ておきたい気持ちもある。


ということでお邪魔しました、ナチュラルなカフェスタイルを売りとするY工務店。


この会社は岐阜県下呂市に本社があります。
温泉で有名な下呂市ですが、林業も盛んな地域で、東濃桧なんかも産出しています。
Y工務店も材木の仕入れから自社で行えるので、リーズナブルな価格で国産(県産)の無垢材を豊富に使った家づくりができるようです。



モデルハウスは、木の素材感を全面に出した作り。

「カフェ風」にも色々あると思いますが、ここはその中でもナチュラルテイストの強い家でした。
ほのかに木が香る、温かみのある空間。確かに落ち着きますよね。



壁は調湿・消臭効果に優れた漆喰の塗り壁。木+漆喰という自然素材でできた居住空間で、健康にも良いのが売りだそうです。
昨今はビニールクロスに関してカビやらホルムアルデヒドやらの問題が取り上げられることが増え、自然素材の家づくりはかなりの支持を集めているみたいですね。


間取りも、なかなか合理的かつ個性的で良かったです。
小屋裏のこもり部屋など、限られた空間をうまく活用していて。


また、営業の女性は物腰が柔らかくプロ意識の高い方で、とても好感が持てました。
平均的な予算も見せてもらい、国産材をたっぷり使っても大手と比べると確実に安いことを確認。


...と、いいことだらけのようですが、私たちの場合は根本的な問題がありまして。



要は好みの問題で、冒頭にも書いたとおり、そもそも私たちはナチュラル推しの家に惹かれていません。
ふんだんに木を使う家よりも、シャープでスタイリッシュな中に要所で木を使うようなデザインに憧れています。
となると、Y工務店のスタイルからは少し外れてくる訳です。



じゃあ最初から見に行くなよ!というお叱りの声が聞こえてきそうですね。
おっしゃる通りで...



でも、
「興味なかったけど、一度見たら虜になりました」
なんていう話も聞くじゃないですか。
ひょっとしたら私たちも、これまで興味のなかったカフェ風の家やナチュラル推しの家に惹かれるかもしれない。


いや、もっと正直に言うと、
「惹かれないことを確認しておきたい」


そんな気持ちで見に行ったのです。
Y工務店さんにとっては、とんだ迷惑客ですね。スミマセン...




で、結果としては、やはり

「いい雰囲気だとは思うけど、自宅はもうちょっとシャープな感じにしたい」

という自分たちの気持ちを再確認することになりました。




あと個人的に、これはちょっと...と思ったポイントがひとつ。
(本当に個人的見解です)

それは無垢材で造作した建具等です。



Y工務店では、無垢材を使って家具や建具を造作してくださるのですが、ご存知のとおり無垢材というのは縮んだり反ったりします。

これが床や棚ならば、多少の反りや収縮は私たちも「それも味」と言って許せるかもしれません。

でも、ドアが歪んで隙間風が入る、開閉しにくくなる、というようでは...
私には、「それも味」と考えて笑い飛ばすことはできそうにありません。


こういった造作ドア等を実際に見て、説明も聞いて、「無垢材ですから、多少の歪みは避けられません」と教えてもらえたのは、私たちにとっては収穫でした。


そんなことは気にならない、とにかく無垢材に囲まれた暮らしがしたいんだ!という方には、素晴らしいオプションだと思うんですけどね。


私たちの場合、ドアや引出しは機能性が優先なので、反り等によって支障が出そうな物は選択肢から外れました。




というわけで、結局私たちの趣味とは違ったものの、おかげさまで、自分たちの好みがよりハッキリしたように思います。
冷やかし客で申し訳なかったですが、自分たちとしては、見学させていただけて良かったです。
Y工務店さん、どうもありがとうございました!

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K工務店の次に私が見に行ったのは、suumoなどで見て目をつけていたn工務店。
愛知県一宮市にあります。
ちなみにnは小文字です。


もともと富山県の会社だそうですが、だんだん大きくなって岐阜県高山市に進出し、ついには本社を愛知に移したのだとか。
その経緯だけ見ても、けっこう勢いのある会社だと思われます。
いずれは東京本社なんてのを狙ってるのかも?
それで地元富山のお客さんたちが喜ぶかどうかは分かりませんけどね。


というわけで工務店としては大規模、値段も高めの設定だということは、あらかじめ調べをつけていました。

ただ、値段はちゃんと聞いてみないと分からないし、何より雑誌などに載っているモデルハウスの写真がとてもハイセンスで、大人っぽい雰囲気があるのです。
なので、これはぜひ実物を見てみたい!と思い、また休日出勤のついでに足を伸ばし、一宮まで行ってきました。



着いたのは、大きなログハウス調のオシャレショールーム。
予約も何もしていないので、飛び込みで入ってみました。

中は全然仕切りのない、ただただ広い空間でした。
雑誌で見たようなモデルハウスとは目的が違う建物だったんですね。私としてはちょっと当てが外れました。



間もなく、明らかに新入社員だろうと思われる可愛らしい女性社員さんが先輩社員の指示を受け、私に声をかけてきました。
いかにも「恐る恐る」という感じで話しかけてきたところを見ると、普段は裏方の仕事をしているのかもしれません。
もしくは私の風貌がよっぽど怖いのか。


そんなわけでろくに話もしないまま、「とりあえず記入をお願いします」と渡されたアンケート用紙。


いやいや、ちょっと待ってよ。
オレ、相手を見てから記名の判断をするからさ。
頼れそうな人が担当になってくれるなら、その段階で書かせてもらいますよ。


と思いながらも、勝手にスラスラと書いてしまう私の手。
かわいい子には弱いのです。




とはいえやはり、この人はまだ見習いのような段階だったようで、込み入った話はできませんでした。
15分ほどして、他のお客さんの相手をしていた上司の手が空くと、そこからいよいよ本題です。


この上司はショールームの責任者で、一級建築士の資格を持っていました。
n工務店は設計士が営業も兼ねるそうです。
その分、営業マンらしい愛想の良さやサービス精神は無いように感じましたが、設計面の話が最初からしっかりできるのはメリットかな、と。



色々と聞きましたが、ざっくりと特長だけ言うと

・高いデザイン性
・無垢材や漆喰の壁を使った自然な住空間
・一戸一戸、窓一枚一枚の位置や大きさにも細かくこだわった家を提案する

というのが売りのようでした。



ひと通り話を聞いた後、本来は事前予約が必要というモデルハウスへ。

ここでは、玄関にあえて小さい扉を使ったり、庭に甕を置いて水面の光を室内に反射させたりと、「窓の1枚1枚」の話を裏付けるようなアイディアが随所に見られました。


また、玄関で来訪者を出迎えてくれるのは、「版築」という伝統工法で作られたなんとも味のある壁。これを普通の家で採用するのは現実的じゃないと思いますが、でもめちゃカッコいいです。

このあたり、大手のモデルハウスではあまり見られない、日本的な感性が感じられました。
うん、嫌いじゃないぞ。

(版築の壁)




ただ、その裏返しで、家の中が全体的に暗い...。
もちろん希望次第で明るい家にもしてもらえるんでしょうが、とにかくモデルハウスの印象としては、まず「暗かった」というのが私の中に強く残ってしまいました。


あと、値段入りの施工例も多数見せていただいたのですが、やはり少々高めです。
大手よりは少し安いのかなぁという程度。
もうちょっと抑えてほしいというのが本音でした。



もう一つポイントになったのは、地震への耐性を示す耐震等級のことでした。


n工務店の家の耐震等級は、基本的に「2」だとのこと。
3段階のうちの2。
大手だと最上級の3が当たり前でしたから、大手ばかりを回ってきた私は「大丈夫かなぁ」と不安に感じてしまいました。

もっとも、ちゃんと調べてみると、耐震等級2というのはかなり充分な強度。
(※ 数百年に一度程度発生する大規模地震に対して、倒壊、崩壊しない程度の強度が耐震等級1。その1.25倍の強度で耐震等級2、1.5倍の強度で耐震等級3となる)


在来工法の場合、耐震等級1と認められるためには、耐力壁の量とバランス、接合部の強さなどをチェックされるそうです。
しかし耐震等級2または3を取るには、これらをさらに高い基準でクリアしなければならないことに加え、等級1では審査されない床の強さ、基礎の強さ、梁の強さといったところもチェックされるとのこと。

つまり、等級1ではちょっと不安だけど、等級2以上だと安心感がぐっと増すんですね。
等級2と3の差異については色々な意見があり、等級3について「そこまで必要? 2で充分じゃない?」という考え方もかなり多い様子。

まぁ私はビビリなのでそれでも等級3を求めてしまいますが、等級2の基準も、私が思っていた以上に高いことが分かりました。


ただ、これは後日私が自分で調べた内容。
n工務店での打ち合わせでは、耐震等級2の安全性について詳しい説明はなく、こちらから聞いても「どうしてもと言われるなら、等級3の建物も作れますが...」という感じで流されてしまいました。

その場に営業のプロがいたら、こちらの不安を汲んで、しっかりと説明していただけたかもしれませんね。






こんな感じで、悪くはなかったけど、事前に期待していたほどにはしっくりこなかったn工務店。
結果、「素敵な家ですね。縁があったらまた来ます」くらいの感触で終了しました。


場所が遠いこともあって、結局その後また会いに行くことはありませんでした。

 
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脱線記事です。



今日は平日ながら時間が取れたので、我が家も紅葉を見に行ってきました。
行き先は、上石津町の多良峡。


初めて行きましたが、まだ見頃より少し早いのか、真っ赤な木もあればまだ紅葉前の木も多い状態。
木も個体差が大きいんだな〜と実感しました。


川辺に向かって散策していくと、1本ポツンと離れて立つモミジを発見。
真っ赤な葉を緑色の草の上に散らし、それは幻想的な光景でした。


他のどの木よりもこの1本の佇まいが美しくて。見とれてしまいましたね。


実は我が家、シンボルツリーをモミジの木にする予定なんです。
秋にはこんなふうに綺麗に染まってもらえるといいなぁ。




あと、紅葉の足下で見入ってしまったものがもう一つありました。

切り株です。古いやつ。



よく見ると一つ一つ違いますし、なんていうか、切り株の上に小さいドラマがあって。
柄にもなく「切り株カワイイ」と思ってしまい、自分が少年(または老人)のような心を持っていることに気がつきました。

・・・・・・・・・・・・・・・

帰りは養老で焼肉ランチを平らげ、その足で我が家の工事現場へ。

差し入れを買ってお邪魔すると、職人さんたちが基礎工事の真っ最中でした。


「基礎の状態を見ると、皆さん狭く感じられますよ」
と設計の桐山さんに警告?されていましたが、私たちは思ったほど狭くは感じませんでした。
2階部分が小さく、1階の面積が広めの作りなので、基礎だけを見ると大きな家に見えるのかも。


とにかく、初めて自分たちの家の間取りを実寸大で見ることができ、いよいよ家が建つんだという実感が少しだけ湧いてきた気がします。
これからも時間を見つけて、ちょこちょこ見に行くぞ!



 



2015年春。

大手HMとはちょっと違う期待を込め、私たちの工務店巡りが始まりました。



【K工務店】

はじめに行った工務店は、岐阜県庁前住宅展示場にモデルハウスを構えているK工務店さん。 


木造と重量鉄骨の家を手がけているということで、その両方が見られるように、木造と鉄骨の建物が繋がった面白い造りでした。
私は木造派なので、主に木造側を拝見。



大きさも仕様も普通の家とあまり変わらないそのモデルハウス。
自分の建てる家をリアルに想像するためには、こちらの方が良いですね。

大手の豪華モデルハウスと比べるとテンションが上がらないのは、これはもうしょーがない!
現実を見ましょうよ。



対応してくださった社長さんにモデルハウスの値段を参考までに聞いてみると、値段も普通の家と大差なく、2000万円台前半とのこと。
ほほう、なかなか良いじゃないか。
大手だと、普通の家でもだいたい3000万スタートみたいなところがあるからな...



隅々まで見せていただいた上で、自分が重視したい断熱性能のことを聞いてみると、

「家を外から覆う外張り断熱を採用しているから、柱やニッチで断熱材に隙間ができてしまう心配がない。
しかも断熱材にはネオマフォームをお勧めしている(オプション扱い)。
快適に暮らすには、断熱は何より大事ですからね」

とのことでした。
なるほどね、そのアピールのためにニッチが多めに作ってあったのか。


ちなみにネオマフォームというのは旭化成の製品で、微小な泡で出来た高性能断熱材ですね。
薄いプレート状なので、建物を薄く覆う外張り断熱には最適なやつ。


社長さん曰く、「このへんでネオマフォームを扱ってる工務店はそうそうないんですよ」
ということでした。
でもやっぱり、オプション扱いなのね...。



アフターに関しては 、やはり
「大手と違って転勤がないですから、ずっと変わらず私が自分でお付き合いをさせていただきます」
という点を自信たっぷりに言われました。
社長さんというだけあってしっかりした感じの方でしたから、その社長さんにずっと面倒を見ていただけるのはプラスポイント。


そうそう、余計な話ですが、この社長さん、客(私)との距離の取り方が絶妙でした。
距離というのは比喩ではなくて、文字どおり お客との位置関係、私から見てどの位置に立つのかということです。

大柄な方でしたから、ともすればお客に圧迫感を与えてしまいかねないということを、おそらくご本人も自覚しているのでしょう。
お客に圧迫感を与えず、邪魔もせず、でもお客がわざわざ振り返らなくても話せるような位置を、常に探って動いてらっしゃいました。
誰にでもできそうで、案外できないことです。
このへんは経験のなせる業だなぁと、変なところで感心してしまったのを憶えています。


って、イヤな客でしょ?引かないで下さい。
心理学の勉強をしていた時期があって、自然にそういうところを見てしまうのです。
悪気はないんです。

20151117220917.jpg


とにかく。 


値段や断熱材、その社長さんが担当者という点は魅力を感じました。
ただ、デザイン等には特段惹かれるところがなく、HPで見られる施工例も少なくて写真も小さかったので、結局その後詳しい話に発展するには至りませんでした。


それでも、ここを見れたことで、やっぱり工務店も悪くない、他も回ってみようという気になれたのは間違いありません。

K工務店さん、社長のK様、ありがとうございました!




三つ目の理由。
それは、ネットなどで見た工務店の施工例です。


ふとしたきっかけでいくつかの工務店のHPを覗いてみたところ、すごくオシャレな家、あるいは高性能な家を建てる工務店が沢山あるのを知りました。


私たちは勝手に「大手と工務店を比べると、大手の方が上品でオシャレで高性能」と思い込んでいたのですが、そんなことは全くないことが分かって、目からウロコ。



また、前述のとおり大手は余計な費用がウン百万円も上乗せされているので、私たちの経済力では基本的にオプションNG、標準仕様の家になります。

一方、その余計な費用負担が少ない工務店ならば、欲しいと思うオプションをしっかり付けて贅沢仕様にしても、大手より安く建ちます。


つまり、家自体のスペックを比べても、工務店が大手に引けを取るとは限らない!
むしろ、同等以上の建物が、より少ない資金で建てられるかもしれない!
そのことに、ようやく気付いたのです。



最後に第4の理由、建てた後のお付き合いのこと。


大手HMの営業さんのことが気に入って、契約したとしましょう。
でもその営業さんは、直後にどこか遠くへ異動していってしまうかもしれません。
引き継ぐ相手は、自分には全く合わない人かも。


あるいは、住み始めてから何かトラブルが発生した時。
ちゃんと自分の家を知っている担当者が対応してくれるでしょうか?

大手だと、きっと顔も知らないコールセンターの人に電話で1から説明して、初めましての社員さんが家までやって来て、事務的に対応されることが多いではないでしょうか。
親身になってくれるでしょうか。


地元の工務店なら、遠くへの異動なんてあまり考えられないですから、よく知った営業さん、場合によっては社長さんが自らずっと対応してくださったりします。
ちゃんと人間関係のできた人が来てくれれば、対応にも違いが出るでしょうし、家に関する色々な相談などもしやすいはず。
対応も早そうです。


もっとも、「本当にちゃんとアフターに力を入れている工務店ならば」という但し書き付きですけどね。




逆に工務店のデメリットを考えてみると、

・質の高い会社と低い会社の差が、ハウスメーカーと比べて大きい。
  だからちゃんとした会社に依頼しないと、きっと大変なことになる。

・建築途中で倒産されたりしたら、目も当てられない。その可能性は、ハウスメーカーと比べると大きい。

・施工実績が少なければ、ノウハウの蓄積も少ない。

・小規模工務店で人気のあるところは、同時に何軒も作れないため、順番待ちになる場合がある。

・「プロヴァンス風の家が得意」「カフェ風の家ならお任せを」「無垢材しか使いません」など、得意なタイプに特化した工務店が多い。
  自分の好みに合った家づくりができる会社を最初から選んで話を進める必要がある。

といったところ。



重大なデメリットもあるので、そこを解決できないことには、工務店との契約はできません。
でも、自分たちがしっかりと見極めることができれば、いずれもクリアできるんじゃないかな、と。



となるとコレ、工務店を選択肢に入れないのは愚かなんじゃない?労を惜しまず、工務店も回ってみようよ!
とにかくちゃんと話を聞いてみて、その上で安心して任せられる工務店が見つからなかったら、また大手も含めて考えれば良いやん。


とまあ、私たちはこんな風に考えたわけです。


こうして、大手の中の有力候補(D社、I 社、SR社など)は一応頭に残しながらも、工務店巡りがスタートしました。
今年の5月のことでした。


大手HMしか頭になかった私たちの気持ちが変わったのには、いくつか理由がありました。




いろんな会社で話を聞いたけど、大手はやっぱり高い。
それに、これだけ回って、結局いまだに「ぜひここで!」と思えるほど気に入るメーカーには出会えていない。

気に入っていないのに、こんなに割高な料金で依頼するの?

というのが、選択肢を広げてみようと考えた第一の理由です。




第二の理由は、下請け、孫請け業者の質の問題。


実は私たちが住んでいるアパートの近所に、
「絶対にこの業者には依頼したくないな」
と思ってしまう業者の事務所があります。
それはもう、技術うんぬん以前の問題。
車の停め方、危険な急発進、道路の渡り方、歩きタバコにポイ捨て、そして良からぬ噂の数々...
見ているだけで眉をしかめたくなります。


そんなマナーの悪い業者に工事させていたら、私たちは入居前に近所の嫌われ者になっちゃいますよね。

だいたい、他人の迷惑を考えられないような人たちが、他人の家づくりで丁寧な仕事をするわけがありません。
いい家が建つわけがないのです。

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大手に建築依頼をした場合、どんな業者に実際の工事を任せるのか分からないという怖さがあります。
施主は施工業者までは選べませんから、よりによって「ここだけはイヤだ」と思っているような業者に委託されることもあり得ると思います。

もちろん大手の営業さんは
「我が社の厳しい基準をクリアした業者だけに、我が社の仕事を請け負ってもらっています」
などと言いますが...

私が嫌いなその業者も数年前は某大手さんの下請けをやってたみたいですから、「厳しい基準」もたかが知れてますよね。



じゃあ大手以外は大丈夫なのか?と言われると、残念ながらそんなことはありません。
小規模なHMや工務店であっても、同じようなリスクは拭いきれません。

でも、工務店の中には自社大工が施工までやる会社もあります。
少なくとも大手よりは委託先の職人さんが限られますし、頼む相手はたいがい地元業者です。
だから、大手に比べれば、誰が施工するのかを知った上でお任せしやすくなります。 
工務店と職人さんもお互いをよく知っていますから、息の合った仕事ができるはずです。


「大手と下請け」という上下関係でなく、あくまで横の協力関係という色合いが強いのも良いですね。
そのほうが、職人さんたちも力を発揮できるのではないかと思います。


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私たちは、現場で作業する大工さんなどについても、運任せにしたくありません。ちゃんとした人に、安心して任せたい。 



すくなくとも、「無理して高い金を出して大手に頼んだのに、実際の施工は最低の業者だった」なんていう目には遭いたくない。



その思いが強いので、大手HMよりも地元工務店の方が良いと考えるようになってきました。







さて。
再び建築会社選びの話に戻ります。
話が行ったり来たりしてスイマセン。


今回からは、大手ハウスメーカーばかり考えていた私たちが、地元工務店に目を向け始めた理由について。

・・・・・・・・・・・・・・・

2015年に入ってから展示場巡りを再開した私たちは、3年前と同じく、名前を知っている大手ハウスメーカーを回っていました。

しかし回れば回るほど、大手ならではの魅力というのをあまり感じなくなり、逆に大手のデメリットを感じるようになってきたのです。


いちばんのデメリットは、やはり値段。

いわゆる大手と言われるハウスメーカーは、全国に多数の支店や豪華モデルハウス、工場を作って維持し、すごい数の従業員を抱えて、有名タレントを使ったテレビCMや雑誌等での宣伝活動をバンバン行っています。
当然、人件費と広告宣伝費はすっごいことになっています。
もちろん商品の研究開発費用だとか、そういった目に見えない経費も大変なものだと思います。


では、そのお金はどこから回収するのか?


もちろん、お客さんですよね。




それと、大手になると実際の施工等はその下請け、孫請けのような業者に任せることになります。
となれば、そこには当然マージンが発生しますから、直接工務店に頼むよりも高くなります。


こういった経費が主な原因となり、大手ハウスメーカーと一般工務店をくらべると、平均的な一戸建て住宅で700〜800万円かそれ以上の差が出るそうです。

700〜800万て...
ウチの近所の田舎なら、70坪の土地が買えますよ。




大手で建てるという満足感、
一定以上の品質が得られそうな安定感、
まず倒産しないだろうという信頼感、
長期保証の安心感、
鉄骨のユニット構法のような大規模工場ならではの工法...

そういったものに800万円分の価値を見出せるならば、大手で建てるのもアリでしょう。



そういう私たちも、大手の安定感と安心感、「大手の方が質の高い家ができるんじゃないか」というイメージ、あと多数の客に紛れたほうが気が楽だというよく分からない理由から、大手を回り続けていました。


でもそれは、よく考えた末に大手のメリットを採ったのではなく、最初からなんとなく大手しか選択肢になかっただけなんですね。他を知らないから。




さらに付け加えるなら、工務店に対して

「信用できるの?安っぽい、古臭い家になるんじゃないの?」

 「注文住宅なのに、注文出来ることが限られてしまうんじゃないの?」

 「途中で倒産する心配をしなきゃいけないんじゃないの?」

という偏見があったことも否定できません。



しかし、たくさんの大手HMを回り、ネットでSuumoのHPや先輩方のブログなどを見ているうちに、私の気持ちにも変化がありました。

「大手とは言えないハウスメーカーとか、地元の工務店も見に行ってみようかな」

という気持ちが芽生えてきたのです。 



昨日と今日で、ご近所さんへの挨拶まわりをひと通り終えました。
やはり顔が分かるとお互いにホッとできますね。


特に両隣の方々には一番迷惑をかけるわけですが、ものすごく気さくに
「気にしないで。子供が工事車両大好きだから、今日も工事に来てほしかったくらいよ」
なんて言っていただけて、本当にありがたいです。
入居したら、私たちもそういう気持ちの良い隣人になるぞ!



余談ですが、今回挨拶まわりをしてみて、気をつけなきゃなと思ったことがありました。
それは、インターホンのカメラ機能。


新しい家だと大概、インターホンにはカメラが付いています。
押した瞬間から数十秒間録画されるものも多いと思います。

ピンポンを押しても家の人が出てこず、留守だと分かった瞬間、気が抜けてしまっていませんか?
でもその気が抜けた様子はカメラでしっかり録画され、家の人が帰宅したときに来客アリを伝えています。


ですから、留守だったからといってしかめっ面で舌打ちしたり、同伴者とヘラヘラ笑ったり、「こりゃダメだ」なんて口走ろうものなら、録画映像をチェックした家の方には、悪い印象しか与えないでしょうね。


私自身、知らず知らずのうちに他人に失礼な行動をしてしまうことが度々あり、今まで何度か嫁に注意されたことがあります。
なので今回はそんなことにならないよう、不在のときにもカメラに軽く頭を下げてから帰るよう心がけました。


全く悪意はないのに、気が抜けた一瞬の言動で悪印象を与えてしまうことがあります。
こんなことは、普段から仕事で各家庭を訪問している方には当たり前すぎる話かもしれませんが、私は最近こういう経験がなかったので。
気をつけましょうね。


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