毎週末、いろいろなHMや工務店で話を聞いて回っていた今年の春。
ここぞと思う会社をなかなか見つけられず話が進まない中、実はもう一つ、私たちにとって重要な課題が持ち上がりました。
土地です。
3年前のHM巡りのところで少し触れたように、私たちには「土地を買うのか買わないのか」という問題がありました。
つまり、
① 使わなくなった祖母の畑を譲り受け、そこに家を建てる
② 自分たちで土地を購入する
という2つの選択肢があったのです。
②しかない人の方が多いでしょうから、ありがたいことですよね。
正直に言うと、私たちとしては①、畑をいただくほうに気持ちが傾いていました。
①なら、造成費用もかなりかかるとはいえ、土地を買うよりは安く済みます。
嫁の実家のすぐそばなので、祖母たちの様子をすぐに見に行けるし、子供の世話をお願いしたりもしやすいしで、お互いに助かります。
土地の広さも100坪近くあり、現時点では周囲に家もないことから、子供がのびのびと遊べるほか、私の夢である「庭バスケットゴール」も実現できそうでした。
さらに、嫁はずっとその地域で育っているので、ご近所さんに関する不安が少ないのも大きなメリットです。
デメリットとしては、
・職場まで少々遠いこと
・学校も遠いこと
・近くに公共交通機関がないこと
・古い土地特有の行事や決まりごとが非常に多いこと
メリットとデメリットを比べると、メリットのほうが大きく思えて、私たちはこっちに傾いていました。
祖母たちも以前それに乗り気な発言をしていたので、私たちも畑をいただくという前提で、
「孫の顔をよく見せに行って、今後の介護とかもちゃんとやって、恩返ししなきゃな」
なんて話していました。
ところが、
5月末のある日、嫁との雑談中。
嫁「今日お母さんに言われたんだけど、家は別のところに建てなさいって」
えっ!?
思わず凍りつく私。
嫁によると、そろそろ土地の話をちゃんとしておかなければということで、母親と話をしたそうです。
すると、母や祖母がよく考えた結論として、
「近くに住んでくれるのは嬉しいけど、近すぎるとお互いに気を遣うし、負担をかける。
元が畑だから、きっと地盤も強くない。
ここは交通上不便な土地だし、地域の行事も絶対休めないから、共働きのあんたたちは間違いなく苦労する」
とのことでした。
近くに住めば無条件で喜んでもらえると思っていた私たちにとっては、祖母たちのこの判断は予想外でした。
でもそれだけに、ちゃんと私たちのことを考えてくださったが故の結論だということも、痛いほど分かる...
実際、交通の便が悪いというのは、小さくない問題です。
また、私の仕事の性質上、地域の行事に毎回出るなどということは不可能。
私はそういった行事とは縁のない土地で育ったので軽く考えていましたが、その畑の地域は「仕事がありますので欠席します」なんて簡単には言えないようで...
そうなると、私たちも苦労しますし、私たちの親類である祖母たちにまで迷惑をかけてしまうかもしれません。
そんなわけで、畑に後ろ髪を引かれる思いはあったものの、結局
土地は自分たちで見つけて買う!
という結論に辿り着いたのでした。
これにより、上物(家)にかけられる予算は減り、高価な大手HMに依頼するという線はいよいよ細くなりました。
もっとも、すでに大手HMへの執着は無くなっていたので、その意味でのダメージはさほど受けず、むしろ良質な工務店を探すことに集中できるようになって良かったような気がします。
また、おかげさまで自分たちの拠点を自分たちで探し、自分たちにとって最良な場所を選んで決めることができました。
これは貴重な経験でしたし、今後生きていく上での利便性や快適さを考えると、土地を探して得た価値はものすごく大きいと感じています。
土地探しのプロセスも楽しんだので、また今度記事にしようかな。
とにかく、今になって考えると、一見厳しいように思えた祖母たちの決断のおかげで、より快適な住まいを手に入れることができました。
真に私たちのことを考えて結論を出してくださった祖母たちに、深く深く感謝します。